召喚獣のすゝめ 2020年1月新制限立ち回り編
皆さんこんばんは。
前回はざっくりとミラーについて書きましたが、今回はその補足と2020年1月制限において召喚獣の立ち回りがどのように変化するのかを記していきたいと思います。
以下がお品書きです。
①ミラーの注意点の補足
②‐1新制限においての立ち回り
②‐2新制限下での大まかな構築案
②-3それに伴う採用カードの変化
③まとめ
①ミラーの補足
さて、前の記事ではアレイスターの場所と墓穴の打ちどころが重要であると言いました。
実は他にも注意すべき点があります。優先順位としては↓のようになります。
アレイスターの場所>墓穴≧暴走魔法陣の発動>維持すべき手札の枚数
細かく言うとこんな感じですね。
アレイスターの場所と墓穴については前記事を参照していただければ。
暴走魔法陣の発動についてですが、召喚獣のメインギミックの妨害が基本的に発動無効であるため、召喚魔術を安全に通しつつ、成功時に相手に動かせない魔法陣はミラーのみならず他の組み合わせでも重要な点であると言えます。
例:相手場メルカバー、伏せ2枚、ハンド3枚(内一枚はアレイスター確定)
という状況だったとしましょう。
この状況で相手のハンドに魔法や伏せにサイク系が無く、魔法陣が通ったとします。
この時点でこちらのハンドにはアレイスターが確定していますね。
では、こちらのハンドは残り5枚。先攻相手のハンドが伏せと合わせると減っていないのを考えると、こちらの手札には誘発が無い状況がほとんどだと思います。
相手の伏せの種類にもよりますが、この状況を覆しかねないカードの組み合わせは多数に及びます。
❶簡易融合
簡易採用型であればライディーンは採用しているでしょうから、簡易→ライディーン着地でメルカバーを裏にする
簡易融合は融合召喚扱いなので、魔法陣適用下だと有無を言わさずメルカバーを処理出来ます。ツイツイやサイクがあればチェーンすると後ろも無視しながら完全に捲れます。
そのあとアレイスターをNSすれば暴走成立からワンショットが成立しますね。
❷パンクラトプスや精神操作、ミカヅチ
これらのカードは直接メルカバーを処理しにくるカードです。
魔法陣下の簡易ライディーンも処理をしにきていますが、いずれもメルカバーを消費させられ、パンクラトプスやミカヅチに関しては手札のアレイスターを切らせることにも繋がります。
そのほかに、魔術を素引きしていればアレイスターの効果を使わずに戦闘破壊する手もあります。
と、ここまで書くと後手側が有利なように見えますが、そもそもメルカバー+伏せに対しての回答札があるかどうかの運ゲーにもなりかねません。
また、2伏せ+手札3だと魔法無効や誘発も考慮しなければいけないので五分かなぁと。
手札の残り枚数ですが、これは暴走アレイスターのコスト(コストではない)のものもあれば、メルカバーで対応できる範囲を拡大するという狙いもあります。
例えば、P対面でもない限りはサイク系の魔法は手札に残しておくとかですね。こうすることにより後ろ剥がしを宣告等だけでなく、メルカバーでもケアが出来ます。
また、最近の環境デッキで魔法が一切絡まないというデッキも珍しいので残しておいて損はないかと思います。
これ以上書くとミラーの内容がとてつもない量になるのでこのあたりにしておきますが、前回の内容と合わせて、今回の内容を基礎として覚えておけば理不尽なパワカの連打をされない限りは戦えると思います。
②-1新制限においての立ち回り
正直ここから先が本記事のミソです。
新制限で環境が変わるかどうかは別として、まず説明しなければいけない点が一つ。
「メルカバーが無制限になった」
この事実が重要です。
ではこれがどのように変化を与えるのか。
・メルカバーの扱いに思考リソースを割く必要性が減った
今まではメルカバーが1枚だったこともあり、メルカバーを捨ててライフを取りにいくのか、あるいはメルカバーを維持しつつビートダウンするかの選択を迫られていました。
前者は展開途中に下手な誘発を貰ってライフが取れず負け、後者は後ろもちまちま剥がされスタミナ切れするという負けパターンに直面することが多々ありました。
ですが無制限になることにより、メルカバーでメルカバーを出すといったことや、暴走成立後の起点をメルカバーにすることもできるようになりました。
つまり、無理してメルカバーをEXに維持をせずともよく、楽にゲームメイクが出来るようになっています。
特に起点をメルカバーを起点に出来るというのは、戦闘破壊などをトリガーとして発動する相手カードを止めつつライフを取れるようになるのが魅力的です。
また、エリュシオンを採用しているのであれば、エリュシオン自身を飛ばすことなく墓地のメルカバーを対象に相手の光が飛ばしやすくなったのも大きいと思います。
また、思考リソースを割く必要性が減ったというとなんだかメカメカしい聞こえですが、要するに自分の考える力を他のケアに充てれるということですね。
展開も罠ビも通ずることだと思いますが、「どう妨害を踏み、どう妨害を当てるか」は非常に神経を使う内容かと思います。これまでの召喚獣はメルカバーが一枚なこともあり、ただ妨害を当てるだけではなく、メルカバーの維持まで計算に入れなければなりませんでした。
ところが、2枚目、3枚目があるとなるとどうでしょうか。ここの負担が随分と楽に考えられるようになると思います。
これは遊戯王だけでなく、他のカードゲームや競技・仕事などにも言えることだと思いますが、最善を尽くすのは勿論重要です。ただ、「楽できるところは楽をする。休憩をする」これもまた重要ではないかと思います。
常に働きづめだといいパフォーマンスも出来ないですからね。
おっと、遊戯王の話からだいぶそれかけました。
つまるところ、メルカバーが解除され随分と楽になったというイメージでOKです。
②‐2新制限下での大まかな構築案
さて、ここから先は周りの環境の遷移もあるので、やや伝わりにくい部分もあるかもしれません。
しかし基本的には既存の環境テーマには一部を除いて平均的に制限がかけられているのかなといった印象ですので、そこまで変わらないんじゃないかなと思います。
無規制だったエンディミオンやシャドールが少し増えるんじゃないかなぁという読みはしていますが。
主に想定しているのはメルカバーが無制限になったため、メインのモンスターに光を増やす構築です。
前述のエンディミオン含むPテーマの台頭もあり、うさぎがメインに入れておきたい誘発となりました。
また、サンダーも一部規制がかかってはいるがまだ戦えそうなので、泡影2+ヴェーラー1といった混ぜ合わせも必要だと感じています。
そして、メイン1サイド1としたいのがわらしですね。これはメガラニカ狙いというよりかは、先のうさぎやGを通したり、アレイスター含む墓地の融合素材を墓穴などで飛ばさせない、ミラーの魔術を通さないなど、来期環境でそこそこ優秀ではないかなと思っています。
誘発についてはおおむねこんなところですね。
では、そのほか採用するカードですが、個人的には墓穴の指名者は優先度が低いかなぁと思います。
勿論弱いというわけではなく、Pテーマが増えてきたことや、召喚獣は墓地のモンスターを除外するという性質上そこまでアドバンテージの取れるカードではありませんので、優先順位が低い、ということです。
自分は相手の羽根やミラー等でも機能する抹殺の指名者のほうがデッキ圧縮や墓地に属性を残すという点で採用しやすいと思っています。
あと、他の方も言っている内容にはなりますが、アレイスターだけで戦う、つまりはアレイスターを引いてなければ始まらないといった構築は少し怪しいのではないかと考えています。引けなかったときは前の妨害もなく、こちらでライフを取る手段がありません。
しかしながら、インスペクトボーダーを採用する気にはいまいちなれません。
確かに相手への拘束力は高いのですが、同時に自分への拘束力も高いです。
トリックスターのように永続効果で活きるというのであれば問題ありませんが、アレイスターには魔術を引くという肝心要の役割があります。ボーダーを出してからアレイスターを引いたときに処理に困ります。それに誘発を投げれないのもジレンマです。
自分はこのリスクが嫌で、ボーダー採用を見送っています。
代替案としてカグヤの存在が挙げられますが、採用するならこっちかなと。ただし、今の環境でカグヤのバウンスが強いかというと、そこまで信頼をおけるものではないと思っています。複数採用のカードも多いですしね。
そこで自分は現在スケゴを採用しています。
メリットとしてはセキュリティやフェニックスを介せば除去をしつつ属性を揃えられるという点ですね。また、アレイスターを墓地に落として展開する必要もないので墓穴もケアしやすくなります。デメリットとしてはGや隕石に弱くなるという点ですが、あまり気にしていません。というのも、Gであれば止まってメルカバー維持でいいわけですし、隕石であれば途中でメルカバーを出せば自然と貫通します。
また、スケゴ+召喚魔術で9000飛ばすキルルートもいくつかあります。
そこはまた別にワンキルのすゝめ(アップデート版)でお伝えするとして、何かと優秀なカードですね。EXの確保がかなりきついですが・・・
個人的にはこれから召喚獣始めようって人にはスケゴ型はおすすめしません。
というのも、基本のライフの取り方などを把握していないと、EXの枠の都合上スケゴ絡みのライフの取り方が複雑で(覚えれば別)展開ミスをしやすいので、最初は不採用で回してみるのもいいかと思います。
その他の採用カードですが、光属性を多く有するテーマと合わせてもいいんじゃないかなと。
有名どころでいうと召喚ABCや召喚AFですね。
召喚ABCについては今はヤタノミサキといったカードもあるので、展開ルートなども増えて楽しそうです。
召喚AFはアーティファイバー型ではなく、シンプルにムーブメントや神智を活用していく型が面白そうです。
EXを活用しない山も少ないのでデスサイズは刺さるでしょうし、アルミラージの右下にAF+アレイスターでメルカバーを出し、その切ったAFを戦線復帰などで蘇生し、返しのターンでメルカバーを維持しながら暴走を成立させワンショットを狙う…
これであればEXの枠にも余裕が空きますし、アレイスターが引けないときにAFのギミックで妨害できるのも○だと思います。これは実際に形にしてみないとわからないですけどね…
とまぁ色々な案を並べてみましたが、これは追々定まっていく環境の中で見極めていきます。
②-3採用カードの変化
長くなりましたが、いよいよ最終章です。
採用カードの変化と題しましたが半分ぐらいは②-2と被ってしまいます。
ですので、この部分は②-2で語り切れなかった内容の補足として考えていただければと思います。
さて、嬉しさのあまり何度も繰り返していますが、やはりここでもメルカバーが無制限になったということが色濃く影響します。
「メルカバーのコストや暴走の起動用手札」を確保するため手札コストのかかるカードの採用は控える
これが大前提だと思います。
せめて採用したとしても、2:2交換ができるツイツイぐらいです。
バック割りに関しては枚数こそ少ないですがコズミックサイクロンが一番いいのではと思います。割れる枚数が少ないもののPテーマのアストロクロノに反応しない点や、閃刀姫のマルチロールによる再セットなどを回避しつつ1:1交換ができるのは改めて考えても優秀ですね。
また逆の観点で「手札を増やすカード」も同時に大きく貢献してくれます。
代表的な例で言うとゴードンですね。というかそれ以外にあるか…?
そして次に「アレイスターへのフォローが出来る札」も重要です。
僕が今一番推したいカードは月の書ですね。古より伝わりしカードです。
ヴェーラーや泡影などのケアとしても役立ちますし、単純に妨害としても強いです。
EXにリンク以外のものを出してから展開する相手にはリブートを回避しながら撃てる強い札ですね。あとはサンダーへの疑似的な回答にもなります。
罠で言うと大捕り物ですね。
サイク系への耐性がなさすぎるのは考え物ですが、それを差し引いても高評価に値するカードだと思います。暴走の素材を調達してくれるのは勿論ですし、少し遅いですがこちらもサンダーへの回答になります。
また、前述の月の書を採用しているのであれば、一度裏にして起こすことにより自分の物になるのも強みの一つです。
神罠に関しては宣告だけでいいかなという気がします。以前は警告も積んでいましたが、ライフコストの重さ的に宣告だけでおなか一杯ですね。ただし余裕があれば通告もほしいところです。相手への妨害はもちろん、自ターンでの誘発貫通用の札としても機能するのは優秀です。
とまぁ全て紹介していくとキリがありませんが、メジャーどころはだいたいこんな感じです。
召喚獣に限らず、僕がデッキの構築をするときは、「めちゃくちゃ強い効果をもつカード(いわゆるパワカ)」の採用と同時に「1枚で2つの役割をこなせる、または意味を持たせることのできるカード」の採用というのが納得できるデッキの作り方ではないかと考えています。
③まとめ
まだまだ今後新たに出るカードなどもあるので、召喚獣に有利な環境かどうかはわかりません。ですがメルカバーが無制限になったことによりこの山もやれることと同時にやらなくてもいいことも出てきました。この状況は間違いなく追い風だと思います。
意外と神経使う山なので、ただ勝ちたい!という方にはあまり向いてないと思いますが、自分の手札管理や罠の当て方・乗り越え方を考えるのは遊戯王の楽しみ方の一つを見事に体現しているので、そういう方にはぜひおすすめしたいですし、この山で勝ってほしいなと思います。
正直、自分の記事がそういった方々に役に立つかもわかりませんが、後続の方の参考になればと思います。
では、記事も長くなりましたのでそろそろ〆ます。
各環境デッキへの立ち回りは準備中です。過度な期待はせずにお待ちください。
ここまでお読みいただきありがとうございました!